ピラティスとヨガの違いは?目的別の選び方と始める前の注意点
ピラティスとヨガは、どちらも呼吸を意識しながら体を動かすため、よく似たものに見えます。いちばん大きな違いは「何を中心に置いているか」です。ヨガは古代インド哲学に起源を持ち、ポーズ・呼吸法・瞑想を組み合わせた修練法です。ピラティスは、筋力・体幹の安定・柔軟性・筋肉のコントロール・姿勢・呼吸に重点を置くエクササイズと整理されています。心を落ち着ける時間がほしいならヨガ、体の使い方や姿勢を整えたいならピラティス、というのがひとつの目安です。この記事では、両者の違いと、目的に合わせた選び方、始める前に気をつけたいことを順番にご説明します。
ピラティスとヨガ、それぞれどんなものか
違いを比べる前に、それぞれがどういうものとして説明されているかを確認しておきます。ここでは、公的機関の情報と、研究論文をまとめた文献を手がかりにします。
ヨガは「ポーズ・呼吸法・瞑想」を組み合わせた修練法
厚生労働省の「統合医療」情報発信サイト(eJIM)が翻訳・掲載している米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)の解説「ヨガ」では、ヨガは「古代インド哲学に歴史的起源を持つ古くて複雑な修練法」とされています。同じ解説では、もともとは精神的(スピリチュアル)な修練法として始まり、身体や精神の健康を増進する方法として普及した、と説明されています。
同じ解説によると、米国で行われているヨガは、身体的なポーズ(アーサナ)、呼吸法(プラーナヤーマ)、瞑想(ディヤーナ)を重視しています。ポーズをとることだけがヨガではなく、呼吸と瞑想が一体になっているのが特徴です。また、ヨガのスタイルには「穏やかなものから肉体的に厳しいものまでさまざま」あるとされ、ひとくちにヨガと言っても、教室や流派によって中身はかなり違います。
ピラティスは体幹・姿勢・動きのコントロールに重点を置くエクササイズ
ピラティスについては、条件を満たした119本の論文をもとにその定義を整理したシステマティックレビュー(Wellsら「Defining Pilates exercise: a systematic review」、Complementary Therapies in Medicine誌、2012年)があります。この論文では、ピラティスは心と体のエクササイズ(原文では「mind-body exercise」)で、筋力、体幹の安定性、柔軟性、筋肉のコントロール、姿勢、呼吸に重点を置くものとまとめられています。
同じ論文では、ピラティスはマットの上で行うものと、専用の器具を使うものがあるとされています。スタジオで見かける大きな器具を使うピラティスと、床に敷いたマットの上で行うピラティスは、どちらもピラティスに含まれます。
ピラティスとヨガの違いを整理する
上の説明をもとに、ふたつの違いを分けて見てみます。どちらが優れているという話ではなく、重心の置きどころが違うと考えると分かりやすくなります。
- 位置づけ:ヨガは古代インド哲学に起源を持ち、精神的な修練法として始まった。ピラティスは、研究論文の中で心と体のエクササイズ(mind-body exercise)として整理されている
- 中心に置くもの:ヨガはポーズ・呼吸法・瞑想の組み合わせ。ピラティスは筋力・体幹の安定・柔軟性・筋肉のコントロール・姿勢・呼吸
- 心との関わり方:ヨガは瞑想そのものが要素のひとつ。ピラティスも心と体のエクササイズとされ、重点は筋肉のコントロールや姿勢に置かれている
- 道具:ピラティスには、マットの上で行うものと、専用の器具を使うものがある
呼吸は「どちらも大切」。やり方は教室や流派で違う
呼吸については、ヨガでは呼吸法(プラーナヤーマ)がヨガを構成する要素のひとつに数えられ、ピラティスでも呼吸は重点のひとつとされています。どちらも呼吸を大切にする点は共通しています。
ただし、具体的な呼吸の仕方は、同じヨガやピラティスの中でも流派や指導者によって教え方が違います。「こちらの呼吸が正しい」と決めつけず、習う場所で指導者の説明に沿って行うのが安心です。
健康面について、資料から言えること
ヨガについては研究が多く、先ほどのNCCIHの解説では、ストレスの緩和、睡眠、バランス(平衡感覚)などの面で有用な可能性が示唆されているとまとめられています。腰痛については、多くの研究から「わずかながら有益であることが示唆されています」という書き方です。
一方で、ピラティスもヨガも、何にどのくらい効くかは研究によって結果が分かれますし、効果の出方には個人差があります。「これをやれば姿勢が治る」「必ず痩せる」といったものではありません。どちらを選ぶ場合も、体を動かす習慣のひとつとして考えるのが現実的です。
目的別に考える、自分に合う選び方
違いが分かったところで、選び方の目安です。迷ったら「何のために始めたいのか」を一つに絞ってみてください。
ヨガが向いていそうな人
- 体を動かしながら、気持ちを落ち着ける時間をつくりたい
- 瞑想や呼吸法そのものに関心がある
- ストレスの多い毎日に、ゆっくりした時間を取り入れたい
ヨガは瞑想が要素のひとつになっているので、「頭を休める時間がほしい」という方には合いやすいと考えられます。
ピラティスが向いていそうな人
- デスクワークで背中が丸まりやすいなど、姿勢が気になる
- 体幹を安定させて、体の使い方から見直したい
- 筋トレの前に、自分の体をどう動かせばいいのかを知りたい
ピラティスは姿勢や筋肉のコントロールに重点を置くため、「体をどう使うか」に意識を向けたい方に向いていると考えられます。反り腰など姿勢の悩みとピラティスの関係は反り腰の原因は?ピラティスで意識したい体の使い方と日常の工夫でも詳しく書いています。
「どちらか一つ」に決めなくてもよい
ヨガとピラティスは、どちらかを選んだらもう一方をやってはいけない、というものではありません。気持ちを落ち着けたいときはヨガ、体の使い方を整えたいときはピラティス、と目的で使い分ける考え方もあります。大切なのは、自分の目的に合っていて、無理なく続けられることです。
始める前に気をつけたいこと
ヨガもピラティスも、体を動かす以上、けがのリスクはゼロではありません。
NCCIHの解説では、ヨガは資格のあるインストラクターの指導のもとで適切に行えば、健康な人にとって安全な身体活動の一つと一般に考えられているとしたうえで、ほかの身体活動と同じように、けがをすることがあるとしています。さらに、けがの可能性を減らすために次のような点を挙げています。
- 指導を受けず自己流で学ぶことは、リスクの増加と関連している
- 初めての人は、ヘッドスタンド(三点倒立)など極端なポーズや、勢いのある強い呼吸法は避ける
- ホットヨガには、熱中症や脱水症状に関する特別なリスクがある
- 妊娠中の方、高齢の方、健康上の問題がある方は、かかっている医療機関とインストラクターに相談する
これはヨガについての注意ですが、「自己流で無理をしない」「体の状態に不安がある方は先に医師に相談する」という考え方は、ピラティスを始めるときにも同じように当てはまります。腰や膝に痛みがある方、持病がある方、妊娠中・産後の方は、始める前に医師に相談してください。同じ解説では、健康上の問題で医療機関の受診を後回しにするためにヨガを使ってはいけない、とも書かれています。痛みやしびれがあるときは、まず医療機関を受診してください。
また、同じ解説は、検討しているインストラクターの訓練歴や経験を調べることもすすめています。ピラティスでもヨガでも、どんな人がどのように教えているのかは、始める前に確かめておきたいポイントです。
小岩でピラティスを始めたい方へ
テルスカンジム小岩店では、完全個室・マンツーマンのパーソナルピラティスを行っています。当店にはヨガのレッスンはなく、マシン(リフォーマーなど)を使うピラティスも行っていません。ピラティスをしたい方には、トレーナーと1対1で、その日の体の状態に合わせて内容を進めていきます。
人数に合わせる必要がないので、動きが分からなければその場で止めて確認できます。パーソナルトレーニングと同じ料金の中で、ピラティスとトレーニングを組み合わせて受けていただけるのも特徴です。「ピラティスが何なのかもよく分からない」という状態からでも構いません。
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